愛知県立豊橋聾学校にてデフバスケットボール体験

企画名称 ■デフバスケットボール体験
■デフバスケットボール・デフリンピックについての講演会・報告会
 ・女子代表チームスキルコーチ/伊藤丈泰 講演会
 ・JDBAゼネラルマネージャー/須田将広 サインバスケ報告会
企画趣旨 「デフバスケットボールってなんだろう?」
~体験を通して、デフリンピックの存在を知り、デフスポーツとは何かを考え合う~

主催者 愛知県立豊橋聾学校
開催期間 11月28日(火)9:45~12:40の内、以下区分分け
 ・9:45~10:30  幼稚部・小学部
 ・10:45~11:35 中学部・高等部
 ・11:45~12:40 講演会・報告会
 ・12:40~13:25 各教室で一緒に昼食
会場 愛知県立豊橋聾学校 会議室/体育館
担当者 【メイン】
■T1
羽田 まりな選手(デフバスケットボール女子代表)
丸山 香織選手(デフバスケットボール女子代表)
■T2
豊里 凜選手(デフバスケットボール女子代表)
和田 七海選手(デフバスケットボール女子代表)、
徳永 拓也選手(デフバスケットボール男子代表)
【サポート】
JDBAゼネラルマネージャー/須田将広
女子代表チームスキルコーチ/伊藤丈泰
JDBA会員(チームトレーナー予定)/中嶌愛

企画経過報告・成果

「デフバスケットボール体験会 in 愛知県立豊橋聾学校」のイベントでは、
❶デフバスケットボール体験
❷講演会・報告会
を行い、それぞれの活動の概要は、以下の通り。

❶デフバスケットボール体験

・9:45~10:30  幼稚部(7人)・小学部(13人)

・10:45~11:35  中学部(7人)・高等部(10人)

【内容】

  1. 幼稚部・小学部では私たちに興味を持たせるためにパフォーマンスで自己紹介、羽田、丸山が簡単に自己紹介、子供たちと一緒にまぎれ隠れている選手を見つけてもらい、一人ずつ出てきて自己紹介するというパフォーマンスを行った。
    →子供たちがとても楽しく選手を探している様子をみて、自分たちに興味を持ってもらうことが出来た。
    →予定していた時間よりかかってしまったため、体験の時間が短くなってしまったことが反省点。
  2. 中学部・高等部では、幼稚部・小学部の反省から体験の時間を増やしてデフバスケを楽しんでもらうために簡単に名前・サインネームを伝えた。

【実際】
■9:45 – 10:30 は幼稚部と小学部を分けた時間帯で以下内容実施

幼稚部 / 7名

【担当】丸山・豊里・中嶌

  • お姉ちゃんにタッチできるかな
  • ボールを上にあげて何回手を叩けるかな
  • ボールを何回つけるかな
  • お友達にパスできるかな
  • シュートを決めれたかな
小学部 / 13名

【担当】羽田・和田・徳永

  • 準備体操、運動
    ・半円になって体操
    ・しっぽとり
  • ハンドリング
    ・その場でドリブル
    ・コーンを使ってクネクネ
  • シュート練習
    ・ゴールに近い位置で練習
  • バスケットボール
幼稚部・小学部共通
  • 選手VS教員の3VS3ゲーム観戦
  • 終わりのあいさつ
  • 写真撮影

■10:45 – 11:35 は中学・高等部の時間帯で以下内容実施

中学部:7名 / 高等部:10

【担当】丸山・羽田・豊里・和田・徳永

  • 準備体操、運動
    ・円になって体操
    ・しっぽとり
  • ハンドリング
    ・その場でドリブル
  • シュート練習
    ・ゴールに近い位置から練習
  • バスケットボールゲーム
  • 終わりのあいさつ
  • 写真撮影

【感じたこと・反省・改善点等】
■幼稚部

  • ボールを見ることと手を使うことのタイミングが合わず苦戦した。距離を変えて、見るべきものに集中することを繰り返しアドバイスすることで自然と慣れていった。最終的にはほとんどの子どもがシュートを成功し、喜びを共に分かち合うことが出来た。
  • 子どもたちが楽しそうにボール遊びをしていて、ボール投げやボールつつき、シュートなど成功するたびに笑顔でハイタッチしてくれてこちらまでほっこりした。

■小学部

  • 紹介の時間に時間をかけてしまったため、体験の時間が短く、少しせわしかった。
  • バスケットボール競技に大事な要素である「自由にコート内を動きまわる、その理由」のイメージを教えることが難しかった。コーチングを前もって打合せ、確認する必要がある。
  • 子ども達の楽しそうな表情、動きなどを引き出せたことはがよかった。
  • 教えたパス、ドリブルの技をすぐにゲームで使うことは難しかったが、シュートを達成できるまでの過程を楽しんでもらえた。

■中学部・高等部

  • デフバスケットボール競技自体の体験は「初めて」という声が多い中、ドリブルやシュートなどとても上手くできていた。シュートのコツなどを教えたら決める回数が増えてきて、伸び代があると感じた。
  • 「できるからこそのデフバスケットボールの楽しさ」の達成感、充実感などを伝えられた。
  • 試合を楽しみながらやっていたので、これを機にデフバスケットボールに興味を持ち、かつ身近にデフバスケットボールができる環境を整えたいと考えた。

【全学部の共通の反省点】

  • 限られた時間の体験指導の調整が厳しい。
    →今回は、対象とする子ども達の実態が不明、こうした体験活動は初めてに近いので、時間調整の難しさはあったと思うが、事前Zoomによる打ち合わせミーティグでの内容の掘り下げ(指導内容のイメージング)、共通理解の話し合いを工夫し、短時間対応を行いたい。
  • 例えば、しっぽとりの時、コートの範囲を伝え忘れてしまったこと(説明不足)などがある。
    →これも上に同じ。事前打ち合わせを密にする点は同様だが、10人以上の人前で、説明等の活動には、誰でも落ち着きが必要であるし、対象に応じて“切り替え”の調整、そして試合なみの集中力が必要であると感じた。
  • ゲームの時間を増やす(選手vs子ども)必要
    →指導・体験の時間をコンパクトにし、デフバスケットボール競技の醍醐味である、実際の試合に近いゲーム体験の要素を多くしたい。そのための時間確保にも事前打ち合わせを丁寧に行いたい。

❷講演会・報告会

【内容・実際】

  • 高等部や先生を対象に伊藤による「2025年東京デフリンピックについて」の講演
  • 須田による、「デフバスケットボールにおけるサインバスケットボールについて」の報告会
    →真剣に聞いていて質疑応答の時に下記のような質問があった。デフバスケットボールのことを更に知ってもらう機会を作ってくださったことに感謝。この講演・報告会を視聴してくれた子がデフスポーツという場で関わってもらうことを願う。以下に会場で質問された内容をピックアップ。

■質問内容

  • 手話とサインが違うことは分かったけど、サインはいつ使うものなのか?
  • サインは相手にばれるのでは?
  • デフエンスが抜かれた時の対応はどうしたらいいか?
  • 聞こえるコーチが聞こえない子に教えるのは大変?
  • 練習はきついのか?
  • 2025年のデフリンピックに向けてのチームの目標は?…など

【反省・改善点】

■良かった点

  • デフスポーツとデフリンピックについて、動画を活用して生徒に考えさせるような発問をすることができた。
  • 資料よりも目を見て、声と手話で対話しながら気づかせることを重きに置いて講演したこと。

■悪かった点

  • 須田のスライド作成が遅く、事前チェックが少なくスタッフ内の共有がなかった。早めに作成に取り組み、スタッフ間でチェックできるようにする。

■改善方向

  • 資料などを早目に作成し、スタッフなどの多くの目で見てもらった上で、精査した内容を講演できると、お互いさらにより良い時間を過ごすことができる。
  • もっとたくさんのサインバスケットボールの例を作って、聴者からも「あ、なるほど、面白そうじゃないか!」と知ってもらえることが導けるのでは。今後もデフバスケットボール・サインバスケットボールの普及を頑張っていきたい。

以下に、当日の様子の画像を添付させていただきます。