【インタビュー】デフバスケ女子日本代表 須田 将広氏


(ソフトバンク株式会社)スマートコーチを活用した指導を行っている、デフバスケ女子日本代表 須田将広氏にインタビューいたしました。

1. スマートコーチ導入のきっかけとデフバスケの課題

聴覚障がいを持つ選手は日本各地に散らばっており、月1回の合宿でしか集まりません。

その中で限りある時間を有効的に使うために、
細かいスキルなどの個人向けの指導は極力省き、
フォーメーションなどチームの実技練習に注力したい思いがありました。

そうなると、合宿以外でじっくり個別に指導できる場所や時間が必要になってきます。
しかし選手や私は仕事や学業もあるので、そんな時間はありません。

そんな中、ソフトバンク株式会社様にオンラインで部活動をサポートする『 ICT部活動支援
というサービスがあることを知り、その活用提案を直接させて頂いた際に、
スマートコーチをご紹介頂きました。

2. スマートコーチの使い方

ソフトバンク株式会社様のスマートコーチを使うことによって、
インターネットにつながっているスマホやパソコンがあれば、
いつでも、どこでも、遠隔指導ができるようになりました。

さらに、選手に身につけてほしいスキルの練習方法を段階的にコース分けし、
それに沿った内容の動画を選手が自分で動画撮影してスマートコーチに登録します。

それを〇□△などの記号を用いてわかりやすく動画添削していくことで、
質が高く、かゆいところに手が届くような細かい指導が可能になりました。

実際に、色々なドリブルムーブをコースに登録して、選手に自撮り動画を送ってもらい、
細かい動きを確認しつつ添削を進めていくと完成度が上がっていっていることを実感できました。

代表合宿で完成度の高いドリブルムーブを習得して持ってくることができたので、
精度の高いチーム練習ができるようになりました。

3. デフバスケ監督になったきっかけ

私は、地元枚方で小学生にバスケを教えているミニバスチームの代表兼女子監督をしており、
そこに聴覚障がいを持つ選手が在籍しており、練習や試合中の情報保障を
どう進めるかを考えていた矢先にデフバスケ監督のオファーがあったので、いい機会と捉え、引き受けました。

デフバスケ日本代表のチームは全員が聴覚障がいを持つ選手なので、
コート上の情報をいかに素早く伝達できるかが重要だと考え、
スマートベンチなる仕組みを考案し、実践する準備を進めています。

4. 世界選手権に対する思いと取組み

目標は、デフバスケ世界選手権でベスト4以内に入ることです。
ちなみに、今までの過去最高成績はA代表ではベスト6でした。

そのためにしっかりと事前に準備をして、私の考えをしっかり選手たちに伝えて、
万全の体制で挑めるように全力で頑張りたいと思っています。
また、世界の強豪チームと対戦できる機会はなかなかないので、楽しみにしています。

特にアメリカはサイズもスキルも日本よりはるか上なので、
それをどうカバーしていくかを考えていく過程を楽しみたいです。

私だけの知識だけでは心もとないので、日本全国の指導者に色々なことを教わりながら、
ベスト4という目標に向かって 『日本一丸』 を実現できるように頑張りたいと思います。

5. 今後の自身またはデフバスケに対する思いまたは展望

2021年のデフリンピックを見据えて、
時間をかけて今までにない最高のチームを作っていきたいと考えています。

将来的には、聴覚障がいの子供たちを対象にしたバスケットボールキャンプやクリニックなど、
子供たちにバスケの楽しさを教える育成事業に関わりたいと考えています。