理事長就任のご挨拶
皆さま、理事長に就任しました佐知樹一郎です。平素より当協会に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
近年、日本バスケットボール規則が改正されて、日本代表、BリーグやWリーグが盛り上がり、日本バスケットボール界がどんどん進化していると感じております。
通っている小学校を拠点とするミニバスチームだけでなく範囲制限内であれば他のチームに所属(=ミニバス移籍)ができるようになりました。また、バスケ経験や指導経験のある者が設立する民間人向けバスケットボールクラブ(=街クラブ)が増えてきました。
それに伴い、聴覚特別支援学校のデフキッズにとって聴バスケに入部できる可能性が高くなっていきます。デフキッズが聴バスケに入部することで、聴者の子供たちが指文字や手話に興味をもち、インクルーシブ教育の形成となり、デフバスケの普及に繋がると考えており、非常に期待しています。
しかし、デフに対する理解不足、偏見、コミュニケーションの齟齬などにより、バスケを続けることが難しくなったデフキッズたちがいるのことも事実です。健聴の指導者がデフキッズにどう教えたら良いのか、健聴のバスケ仲間や保護者がデフキッズにどう接したらいいのか、戸惑うのは当然なことです。
そのためには、私たち日本デフバスケットボール協会がしっかりと調査・結論・考案などを行い、皆様のお役に立てるような資料をHPにてタイムリーな情報発信を心がけてまいります。
残念ながら、これまでの当協会の会員数は減少傾向が続いており、全体的に衰退してる状態だと感じております。これに取り組むべく「強化」「育成」「普及」の3つの柱を土台とした事業を展開します。協会トップとして、大会イベントに足を運び、会員の声に耳を傾け、みんなで力を合わせて、対策を立て改善しながら積み上げていきます。
当協会の運営は、デフの私たちだけでは限界があるかもしれません。日本デフバスケットボール界の選手、コーチ、スタッフ、応援者、関係者の皆様のご協力が不可欠です。
全国各地で行われるミミリーグ実行委員会で活動していくと共に、各自治体や公共団体などで交渉し、情報保障の体制を整備して、デフがバスケットボールの大会イベントに見てわかる、参加できる、観戦できる環境を創り出します。また、オン・ザ・コート2(健聴)などで“ダイバーシティ推進”の取り組みを行い、地域デフバスケチームが聴バスケ大会へ出場でき、笛がなるとゴールが光る仕組みなどの合理的配慮による“共生社会への実現”に繋がっていくのが理想です。
“理念・使命・行動指針”に則り、日本デフバスケットボール界や会員の皆様から信頼される組織運営や健全な経営を目指します。今後とも当協会に対する温かいご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
令和4年3月13日
特定非営利活動法人日本デフバスケットボール協会
理事長 佐知 樹一郎