謹賀新年
この度の能登半島地震や羽田空港事故において、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族や被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。今もなお、不安の中で避難されている皆さんも寒さなどで大変だと思いますが、余震などにくれぐれも気をつけながら過ごしてください。
謹んで新年をお祝い申し上げます。平素より当協会の事業運営に対し、格別のお引き立てを賜り厚く御礼を申し上げます。昨年は、理事ではなく、スタッフたちが組織的に動きが活発になってきているのを感じています。JDBA会員の皆様が生き生きとした活動をしていることを嬉しく存じます。
JDBA新ロゴデザインを募集した結果、全国から感性のあふれるデザインの420点をご応募いただきました。「この応募に出会うまでデフバスケットボールの存在を知らなかった」「音のないバスケットボールという、とても激しいスポーツの中で、目だけで状況を追うのはデフアスリートの凄みを感じました」などのデザイン意図の中に含まれていました。JDBAの公式ホームページや公式SNSに掲載したJDBA活動の私たちのお陰で、応募した多くの方にデフバスケットボールの魅力を感じていただき、とてもやりがいがあります。
昨年のネットニュース話題になっておりますが、JDBAの公式ホームページや公式SNSを見て頂き、「あれ?」と矛盾を感じている方が多くいるのではないでしょうか。JDBAの私たちは、「デフバスケットボールとは何か?」を改めて考え、デフ主体とした自分を信じてきた道をブレずに作っているからです。
「難聴」という言葉があります。「聾学校に行かずに通常学校に通った人のこと」と単に言う方が未だにいます。それを言うなら、通常学校の卒業生である私も難聴となります。
「難聴」とは、補聴器や人工内耳を使って残存聴力を活用しながら、相手の口の動きや表情、話の前後関係、文脈から話の内容を読み取る口話・読話・読唇術を見て、理解する聴覚障害者です。
「ろう者」「難聴者」「人工内耳装用者」「中途失聴者」などの種類は、語源が医学用語にあって、日本社会やバスケ環境が悪影響を及ぼしたのではないかと考えられます。「ろう者」「難聴者」「人工内耳装用者」「中途失聴者」などを区別する医学モデルから歩み寄れる社会への実現である「デフ(Deaf)」の社会モデルに私たちは変える努力をしなければなりません。理念をさらに浸透させるために、JBAや日本障がい者バスケットボール連盟としっかりと話し合い、より良いデフバスケットボール環境になるよう努めていきたいと存じます。
「難聴者」がさらに高みへ目指すなら、タミカ・キャッチングスのような素晴らしい選手を発掘し、応援していきたいです。そして、サインバスケットボールを根源に、デフバスケットボールの底上げをし、「ろう者」がタミカ・キャッチングスのような選手が現れてくることを期待しています。
本年は東京2025デフリンピックのバスケットボール競技運営で忙しくなると予想されます。より一層業務に邁進していきますので、ご厚誼のほど、宜しくお願い申し上げます。
2024年元旦
特定非営利活動法人
日本デフバスケットボール協会
佐知 樹一郎